食育絵本第2作目『魚の教え』がついに校了!7月1日発売

広くて深い海。魚はどこにでもいそうですが、全海水魚の約80%は水深200mまでの浅い海にひしめいて暮らしているそうです。そのほとんどはエサの豊富な沿岸やサンゴ礁にすみ、「食う・食われる」の食物連鎖を繰り返しています。
そんな魚たちの必死に生きる姿をとりあげた『魚の教え』。ワクワク・ドキドキ、進化の歴史に不思議がったり感動したりしながら、子どもから大人まで楽しめる絵本を目指しました。
2020 年5月に発行いたしましたシリーズ第1作目の『野菜の教え』(春・夏編、秋・冬編)は、おかげさまで、令和2年度「厚生労働省 社会保障審議会 児童福祉文化財」にご推薦いただきました。
そのことにも励まされ、『魚の教え』の編集作業のピッチも上がり、ついに校了。現在、印刷工程に進んでいます。


『魚の教え』では、「野菜」のように種類別ではなく、「魚」を科学的にわかりやすく伝えるために、人との比較生態にスポットをあてて編集いたしました。
とはいえ、編集者にとっては非常に手ごわいテーマで、その理由のほとんどは、魚の「種類の多さ」と「歴史の長さ」です。
地球上には現在、人類は1種類(ホモ・サピエンス)しかいませんが、魚類は3万種以上いるといわれています。また、人類の出現は約700万年前、魚類の祖先は5億年前だとか(諸説あり)。
編集の過程で、この桁違いの差の中にこそ、人と魚の比較生態の驚きと発見、面白さがあることに気づかされました。
上巻では「魚とは」に始まり、「骨格」や「食べる」「消化する」「息をする」、下巻は「棲む」「回遊する」「見る」「嗅ぐ」などをテーマに、壮大な魚ワールドをコンパクトな見開き単位に構成。
監修者の早武忠利先生(水産庁長官任命 お魚かたりべ)のご協力と、臨場感たっぷりのデザインとイラストで、楽しいページを作ることができました。
誌面構成の一部をご紹介します。

人の中に魚をさがそう! 胸ビレが手に、腹ビレが足になった。

約4憶年前、エラを支える骨から顎(あご)ができ、大きな獲物を捕らえられるようになった。エイリアン?みたいな咽頭顎(いんとうがく)で捕らえた獲物を確実にのみ込こむ。

トビウオやトビイカなど、名前に「トビ」がつく魚は一瞬でも飛ぶことができる。大型魚から身を守ったり、エサをとることなどが目的。

群れ全体で大きな生きもの。形を変えながら移動する群れは、まるで1つの大きな生きもののように見える。
ひつじ事典
校了(こうりょう):校正がすべて完了し、印刷してもOKの状態になること。
©GUN-YOSHA 2021(文責M)