37年ぶり(?)の請求書

群羊社の創業は43年前の1978年。それから数年たって出版した『女性の自立と子どもの発達-北欧・フィンランドに学ぶその両立への道』(1982年、橋本紀子[著])、『人間と人間たち』(1984年、ブオッコ・ニスカネン[文] アンナ・タウリアラ[絵] 橋本紀子[翻訳] 高橋静男[翻訳監修])という2冊の本がある(現在は絶版)。

(左)『人間と人間たち』 (右)『女性の自立と子どもの発達』

前者では著作、後者では翻訳をしていただいた橋本紀子先生から、なんと37年ぶり(?)に会社に電話があった。

「本棚を整理していたら、群羊社から送られてきた本の間から1万2000円の本代の請求書が出てきたので、心配になって電話をしました」と、ご丁寧にご連絡をいただいた。

結局本代の件は「お支払い済み」ということで一件落着したが、40年近くも前に発行した橋本先生の2冊の本を改めて見て、驚いた。

ジェンダー不平等と女性を取り巻く環境は、今の国際社会でも日本の中でも特に重要な問題である。

男女格差の大きさを国別に比較した、世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」では、日本は調査対象となった世界156カ国中120位だったとか。主要7カ国(G7)では最下位。特に政治、経済の分野のスコアが低く、国会議員の女性割合が低いことなど、政治参画における男女差が影響しているそうだ。

橋本先生は、もともと教育学がご専門で、ジェンダー平等などについて長年研究や社会貢献を積み重ねてこられた実績がある。現在も、今後のあるべき性教育などについて、海外における教育内容を紹介するなどの講演活動を行っている。

『人間と人間たち』(1984年)は、フィンランドに留学していたころに出会った教材で生物的な存在としての人間と、社会的な存在としての人間たちの両面から全体的に人間というものをとらえようとしている構成や内容の深さに興味をひかれたという。

研究会などでも評価が高かった。学校や家庭で性と人間について正しい教育を進めようとしている人々のために、良い教材となるだろうと、訳者あとがきで述べている。

日本でも、ジェンダー(gender 生物学的な性別sexに対して、役割の違いなどによってつくられる社会的・文化的な性別のこと)とか、セクシュアリティ(sexuality 人間の性のあり方)に関心が強まっている。むしろ、学校でも家庭教育でも、性と人間については避けて通れない道。
40年前の橋本先生の見通しは見事に当たっている。

参考:橋本紀子栄養科学研究所客員教授によるWeb講座シリーズ(2020年)

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