多すぎず・少なすぎず・健康にちょうどよい量!

進化を背景に人間と食の壮大な営み

健康・長寿・美容に効く「食」の情報(玉石混交!)の洪水。
一方、肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病も増えるばかりで、どちらも出版業などにとってはかせぎのよいテーマであり、マッチポンプのように量産されている。
自分が長年出版の編集仕事を続けてきたこともあって、食に関するメディア(新聞・出版・テレビなどの媒体)の動向にはおおいに気になる。

最近では、NHKスペシャル「食の起源」というドキュメンタリー番組が面白かった。
19年11月から20年2月まで5回、①ご飯、②塩、③脂、④酒、⑤美食というテーマで放映、好評だったのかその後もしばしば再放映されているので、ご覧になった方も多いのかもしれない。

TOKIOをナビゲーターに、前線で活躍中の研究者の出演、最新の研究成果に加え、700万年前の人類誕生以来の人間と食との驚くべき進化と壮大な歴史をバックボーンとして話は進む。
難しい話が苦手な自分にとっては、5テーマの摂取量に関する「多すぎず・少なすぎず・健康にちょうどよい量」への実用的アプローチが、世界の実例画像を交えて分かりやすく、面白かった。


味覚でも嗅覚でも説明のつかないおいしさ

ご飯はエネルギー摂取基準の55%量が最も健康によく、少なすぎても多すぎてもよくないとか、
気になる油脂の選び方・使い方については、健康に欠かせない必須脂肪酸は、体によいオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を1:2の比率でとるのがよいとか、分かりやすかった(スーパーの食用油コーナーの棚の目の高さにはすでにアマニ油・エゴマ油・しそ油などが並んでいるそうだが)。

<塩、酒は省略して>最後の「美食」については、味覚(苦味など舌で感じる味)や嗅覚(風味、香り成分の情報)でも説明のつかない、人間だけに発達した特殊な能力で、人から与えられる情報で感じるおいしさ。
誰かと分かち合いたいという食事をおいしいと感じさせるとか。

この章では、健康とか低脂肪という言葉がついている料理名や、味についての他者からの情報に、人間はどれだけ影響を受けるかの実験も行っていた。いずれも大きな影響をもたらした。
20~40代男女30人をA・Bグループに分けて、同じ料理を食べてもらった。
「味がない、薄い。クスリ的な感じでいただけなかった」「すごくおいしくて、やさしい味。もっと食べたい」と、まったく同じ料理なのに付随的な情報によって評価が大きく違った結果も紹介していた。

<参考文献>NHKスペシャル「食の起源」2019~2020:著作・制作NHKhttps://www.nhk.or.jp/special/shoku/

©GUN-YOSHA 2020(文責M)