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| さんまの塩焼きは、なぜ「頭左、腹手前」に盛りつける |
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「実物大・そのまんま 3皿でバイキングカード」の90ピースのうちの1枚に「あじの干物」があります(写真上)。あるとき読者から「皮側が上で頭が右の盛りつけ方はおかしいのでは?」というお電話をいただきました。 尾頭つきの魚料理の盛りつけ方では頭は左です。なぜ頭を左に盛りつけるかというと、自然で、見栄えがよく、食べやすいからだそうです。左上位という考えもあるかもしれません。頭は左にくるのが原則ですが、手前にくるのは川魚が背、海の魚は腹だそうです (かれいは例外で頭が右)。「川背海腹」といって、川魚と海の魚を区別するためにそうなったそうですが、実際には、鮎の塩焼きなどの川魚でも海の魚と同じように盛りつけているようです。切り身魚や干物の盛りつけで、上(表)にするのは皮側です。しかし、うなぎ、穴子、はもなどの開いた料理は身側を上にして盛りつけます。これらの魚はうろこがないため皮が厚くて、しっかり焼かないと食べられず、しっかり焼くと見栄えが悪くなるため下にするのだそうです。ちなみに、焼き魚は盛りつけで表になるほうから焼きはじめ、「表三分・裏七分」の焼き加減で色よく焼くのがこつだそうです。うろこのある魚は皮の部分が薄いので、それほどしっかり焼かなくても食べられます。だから切り身魚や干物は皮側を先に軽めに焼いて、こちらを上にして盛りつけるのだそうです。 このル ールからいくと、問題のバイキングカード・あじの干物焼きは「皮側が上で頭が左」となるはずですが、頭を割らない卸し方で頭を左に置くと、頭が半身の下側につく形となりなにか不自然です。そこで、自然に逆らわない形で頭を右に置いたのです。お寿司屋さんで面白い話を聞きました。まぐろなどの大型魚も、市場のセリや仲卸し、小売りでも、丸ごとの冷凍品でも切り身でも、常に頭左・腹手前の形で置かれるそうです。下になる身は上の身の重さで圧がかかり、身が変形したり血液がたまりやすく、上の身が良品で下の身が安いのだそうです。プロにとっては常識のようです。 ところで、うなぎのさばき方が東西で違うことはよく知られています。商人の多い関西、東海では「腹を割ってつき合う」ことから「腹開き」で、直火で焼いてタレをからめて焼き、パリッと香ばしく焼き上げます。武士中心の関東では「腹をさばくなんて縁起が悪い」と背開き。白焼きを蒸してからタレをつけて焼き、淡泊でやわらかい味が特徴です。
面白いのは、細長い日本列島で上方流と江戸前流の境い目。分水嶺は、糸魚川・静岡構造線(大規模な断層)に添って南から北にほぼ一直線に流れる姫川から静岡にかけてだそうです。うなぎの本場愛知県豊橋あたりも境い目に位置し、関西・関東の食文化が入り交じって、いろいろな食べ方があるようです。 (2006.06ふ)
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