群羊社の目の前には本郷給水所があり、地下には巨大な水ガメ、地上には本郷給水所公苑や東京都水道歴史館があります。歴史館には、江戸・東京400年の水道の歩みが展示してありますが、特に面白いのは水道の黎明期の展示。蛇口をひねると水が出てきて当たり前の時代に生まれたものにとっては目からウロコです。
江戸の水道は1629年に完成した神田上水が最初ですが、1609年には15万人くらいだった人口が、3代将軍家光の時代に始まった参勤交代制度の影響もあって急にふくらみ、深刻な水不足や疫病をもたらします。4代将軍家綱の時代の1652年、多摩川の水を江戸に引き入れるという幕府による壮大な計画が作られます。総奉行、水道奉行のもとで、現場を仕切ったのが、桝屋庄右衛門、清右衛門の兄弟。野火止用水の開削者・安松金右衛門らの協力もあって、取水口の羽村(東京都)から四谷大木戸(よつやおおきど)までの43kmをわずか8か月で掘りあげました。標高差がわずか92メートルしかなかったこと、地下に水もれがする地層や岩盤に突き当たったりして2度に及ぶ失敗、資金難など、幾多の困難を克服、見事に大事業を成功させました。桝屋庄右衛門、清右衛門の兄弟はこの業績が認められ、玉川の姓が与えられ、「玉川兄弟」として後世に名を残しました。水道歴史館には、この玉川上水物語のアニメなど、映像コーナーもあります。
このほか、江戸時代の水道管ともいうべき石樋(せきひ)、木樋(もくひ)の実物なども展示されています。水とは切っても切れない関係にある料理関係のかたには必見ですよ。
※JR・地下鉄丸の内線お茶の水駅から徒歩8分。
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| 江戸時代の水道管、木樋(もくひ)。このほか旧都庁跡地から発掘された阿波徳島藩上屋敷の水道装置なども展示
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| 現代の水道管。最大のものは直径2,900ミリもある。東京の水事情の展示も多い。
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