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旨いもの試食、食べある記
 料理本の編集者にとって、「試食」も仕事の一つです。撮影が終わったらまず試食。原稿を書くためには味見は欠かせません。仕事となればそれなりに苦労もあるのです。しかしベテランの料理記者や編集者たちは日頃から鍛えた胃袋で、その食欲たるや見事です。
 試食といえば、食のイベントの集客にとっては欠かせないサービスです。デパ地下の食品売り場や催事場、ドーム・ビッグサイト・幕張メッセなどのイベント会場でも、試食のチャンスが多いものほど人が集まるようです。

 もっとも主催者にとっては、商売には無縁のオバさんたちが試食目当てにたくさん集まっても、「ただ食い」されるだけではくたびれもうけのようです。日本最大の国際飲料見本市「FOODEX(フーデックス)JAPAN」のように、試食目当ての一般入場者をシャットアウトするために高額の入場料を設定した例もあるようです。
 
 最近目立った食のイベントの試食人気をのぞいてみました。
 出色だったのは高島屋新宿店の「グルメのための味百選」。舌が、目が、心が満たされる、極上の美味…とPR文にあるように、全国の逸品が集合。試食も人気を集めていました。イートインは、北大路魯山人がこよなく愛したという銀座「久兵衛」のおすし。
 西武池袋店の「美味しい日本」も内容充実。「家庭画報」の協力もあって、全国から一流の旅館・料亭・老舗店など55店が出店。試食もなかなかの味でした。イートインは東京・目白の「和光」や新潟「長岡小嶋家」など。


 想い出の味、ふるさとの味で人気ナンバーワンのイベントといえば、京王デパート新宿店の「有名駅弁と全国うまいもん大会」。毎年恒例、今回で40回目。全国から200種ほどの駅弁や名産品が集合。すごい混雑でした。試食もいろいろ楽しめました。
 

 意外に低調だったのは、東京ドームの「イタリア・フェスティバル」。リストランテや、ワインやハーブの講習会があっても満席、バールのジェラートには長蛇の列、有名シェフの実演コーナーも立見は人垣で見えないありさま。試食はほとんどなし。オリーブオイルつきのパンのかけらに行列ができるありさま。楽しみにしていたチーズの展示・試食・即売もなし。入場料の高さだけが引き立って、消化不良、主催者のアイデア不足が目立つイベントでした。


 試食の出し方・食べ方を見ると、その人柄がよくわかります。試食にダボハゼのように張りつく人たち。逆に軽べつの視線を注ぐ人たち……。しかし、試食の面白さは、おいしさ発見の小さな旅だと思うのです。気候風土や食文化が育んだ自然の恵み、それに腕をふるった職人の味…ちいさなかけらのような試食から思いがけない出会いやおいしい味、新しい味の発見があるのです。(ふ)
デパートの催事のチラシ
デパートの催事では食べ物が一番人気!
「全国有名駅弁とうまいもん大会」の会場内
すごい混雑の「全国有名駅弁とうまいもん大会」
空弁「みち子がお届けする若狭の浜焼き鯖寿し」
人気の空弁(羽田空港)「みち子がお届けする若狭の浜焼き鯖寿し」(945円)
「いかめし」
駅弁人気ナンバー1は、北海道・函館本線・森駅の「いかめし」(470円)
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