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| 「あるじ」不在のマニュアル飲食店 |
| 最近の飲食店はデザインもメニューも看板も、一見こじゃれた店が多い。その分野のプロたちが腕をふるっているのだろうが、どうも物足りない。何かが足りない。 足りないものは、「あるじ」のこだわりの味と語りでないかと思う。衆知を集めてメニュー開発…というと聞こえがよいが、集団で決めることは個性を排除することがしばしばある。アイデアにこだわるあまり、おいしさへのこだわりが置き去りにされている。シンプルであることの良さが打ち消され、ベタベタと手あかがつくくらい、いじくり回された感じ。マニュアルをしっかりしておけば、経験の浅い学生アルバイトでも、プロの調理師と同じ仕上がりになるというのはウソだ。「あるじ」不在では、本物の味へ舵取りできない。出版企画でも、企画のための企画会議は踊るだけでロクな案が出ない。リスクをなくすための会議が、逆にリスクの原因となってしまうことがしばしばある。 マニュアル飲食店での腹立ちはたくさんある。 (1)あいさつのフレーズがマニュアル通り。温かい血が通わない。「喜んで」と笑い方もマニュアル通り。 (2)ガラすきでも席を指定される。混めば席を譲り合うマナーくらい持ち合わせている。空いているときは好きなところに座らせてほしい! 4人がけに2人座らせるゆとりが好きだ。 (3)一見おしゃれな創作メニューが多いが、食べると実にまずい! 頼みもしない、まずい「お通し」なんかいらない。 (4)内装がうす暗い。目が慣れてくるとベニヤ材の張りボテを飾りたてていることがしばしば。 (5)店員がメニューや食材、酒のことを暗記項目しか知らない。 (6)コスト管理が行き届きすぎていて、食材への融通さがない。 (7)やたらと「禁止」が多い。 あるそば屋でのこと。 (1)本日は禁煙、(2)ビールは1組2本まで、(3)お客さま自身のゴミはお持ち帰り下さい、(4)お2人様は横並びでお座り下さい、(5)会計はご一緒に。張り紙があちこちに。 かきいれどきの大みそかのそば屋でのことだが、大みそかだからこそ心安らかにそばを楽しみたいのに、興ざめだ。 あるすし屋でのこと。 カウンターに座って上にぎりで一杯やろうと思って座ろうとしたら、オケ(お好みでなく)のお客さまはテーブルで…。他に客が1人もいないときに!である。 マニュアル飲食店は必ず飽きられる。そして、オヤジやオカミなど「あるじ」の復権する時代がまもなく来る! (ふ) |
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