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食の仕事人 100番勝負 vol.8

地域の食の暮らしの知恵を掘りおこし、伝えたい!
新雑誌「うかたま」副編集長・中田めぐみさん
「うかたま」というちょっと変わった名前の新しい雑誌が創刊されました。
 発行元は農業書を中心とした出版社、農文協(農山村漁村文化協会)。編集長の鈴木敏夫さんとともに、この雑誌づくりに真剣勝負で取り組んでいる「仕事人」が、副編集長・中田めぐみさん。
 実家で当たり前だった季節ごとの食べ物、春のよもぎお焼き、お彼岸のおはぎなどが、実は今の世の中では当たり前でなくなっているということに危機感を感じ、こうした地域独自の食を残して伝えていくためにはどうしたらいいのかと考えていたときに、農文協の出している「日本の食生活全集」という本に出会い、自分がやりたいことはすべてこの本に出ている、この本をつくっている会社に入りたい!と中田さんは迷うことなく採用試験に応募し、採用されました。

 入社1年目は旅館に泊まりながら全国の農家まわり。その後、東京で書店まわり2年、事務2年、編集は7年目、主に食育に関するビデオ制作(「子どもの食と健康」「安全安心な食を考える」など)やイベントの企画・運営(ニッポン食育フェア)にかかわってきました。
 学生時代は主に栄養学や調理学を学び、管理栄養士の資格も取得しました。どちらかというと、食卓から生産地である農を見つめていたのが、農文協に入り、農家まわりをしてからは、農家の側から食卓を見つめる視線に変わりました。

「うかたま」は、「食べることは暮らすこと」を旗じるしに掲げています。逆走しつつある日本人の食の暮らしを原点に戻って考え直し、地域に根ざした、健康で豊かなものにしようというわけです。 
 「うかたま」とは、食べものの神様の名前だそうです(宇伽御魂神=ウカノミタマノカミ)。もともとは稲の豊作を願う守り神でしたが、やがて都市部へと広がり、人々の願いごとや悩みに応える神様として、お稲荷さんのご祭神となり、全国区の人気を得るところとなったとのこと。このウカノミタマノカミの御利益にあやかりたいという願いから誌名にとりあげられました。
米国農務省チーム・ニュートリションマーク
中田めぐみさん(右)。「食育フェア」で「うかたま」のPRを兼ねて出展者のブースを回る。
栄養教育の授業用パンフレット
「うかたま」創刊号
「うかたま」の料理の周辺には、必ずといってよいほど人間と自然が登場してきます。地域の食文化や知恵を掘りおこす、自然を生かす、新しいライフスタイルを提案する、自分で作って食べて楽しむなどといった編集方針が、創刊号の特集「おもちはエライ!」「100人の朝ごはん」にも、いかんなく発揮されています。
 山形県・天童の農家のからみもち(納豆、くるみ、ぬた、大根おろし、きなこ、あんこ、山芋)、青森のじゃっぱ汁、冬のわさびで食べるうずめ飯、涼しい風がつくる切り干し大根…マニュアル化して元気のない今どきの料理本に比べると、とても新鮮でおいしいそうでメッセージ性もあります。「ここに登場する料理は、お金を積んだからといって食べられるものではないし、レシピがあるからつくれるというものでもないんです。その時期、その地域にいるから手に入る食材を生かした食べ物ばかりですから」と中田さん。
「食の地域性や季節感は、まだまだ残っていると実感します。でも、それもあのおばあちゃんが亡くなったら途絶えてしまうかもしれない。じゃあ、どうやってその知恵や技を自分たちが引き継ぐか、次世代に伝えていくか。それに答えるのがこの雑誌の役目かも、と考えています」と中田さんは2号3号の準備にかけずり回っています。 
 次号は3月6日発売。「お弁当」が特集テーマだそうです。楽しみです。                      (文 藤原眞昭)
 
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